この方が、もう、三年もの間
我家生まれの仔犬を欲している方なのだけど、
その方の頭の中に在るのは、
我家の娘と、かつての娘の犬「なつき」との関係だ。
その方の家にも
一人っ子のお嬢さんが居て、
かつて、娘となつきが姉妹のように暮らしていた様子を見ていた方で、
自分の娘にもそうしたパートナーを持たせて上げたいと
ずっと思っていた方だった。
我家は一人っ子の鍵っ子だった。
そういう環境に居た娘にとって、
なつきは、ペットではなくて、
仲間であり、妹だった。
しかも、いろいろと手のかかる妹であり、
ねぇちゃん命!の
ガタイが大きくて、
そのくせオツムはとっても幼い妹。笑
世間では、犬が偉そうで、
飼い主の子どもなんて馬鹿にしきった犬というのが多いけれど、
「なつき」と言う子は、
娘の事をとても尊敬していた。
尊敬に値する飼い主であったかどうかは別としてね。
娘も、自分が選んだ仔犬だからと、
本当に自分が責任もって育てるんだという意気込みみたいなものを
心の中に持っていた。
ま、お互い、そんなだったから、
年頃になって娘が家を出て数年後、
なつきが亡くなる3日ほど前に、
なつきが娘の夢枕に立ったといっていた。
なつきの具合が芳しくないからと、
娘に連絡を取ろうと必死だったとき、
やっと娘の携帯に繋がって、
そんなことを伝えると、
伝えるこちらとしたら
娘にどう切り出そうか?
普段から、なつきが死んだときの事を想像するだけで
泣けちゃうんだよねとか言って
目の前でウルウルするところを見させられていたくらいの娘だったから、
本当に、覚悟も何も無い相手に、
それを伝えるという事の重さに
こちらの方が戸惑っていたんだけど、
いざそれを伝えると、
意外にも娘は冷静で、
聞けば、なんでも、3日前に、
突然なつきが夢枕に現れたんだという。
その時、なつきの年令を考えたら、
いつ亡くなっても不思議は無い年になっているから、
一度会いに行っておきたいなと思っていたから、
夢に現れた事からして、
なつきに何かあったのだろうとかって覚悟する時間が有ったんだよとのことだった。
なつきはさ、
自分の最期のときを、
娘に覚悟させるまでしてくれた
別れ際まで娘に礼を尽くして、
飼い主である娘に想いを寄せていたんだと思うとね
なつきと言う子
娘は自分がなつきを育てたという風に思っているか知らんけど、
親の目には、娘はなつきに育ててもらったようなものだと思っている。
そんな娘となつきとの関係は、
本当に、娘が、この子がいい!この子にする!と
数頭居た仔犬の中から
黒くて、麻呂眉のある
パッと見、ちっとも可愛くは見えなかった
熊の子のような仔犬を選んだところから始まったのだった。
親にしてみると、
見た目の問題よりも、
どうやらその兄弟の中では、
どう見ても一番股関節が悪そうだった黒い熊様のその仔犬よりも
他の真っ白な仔犬のどれかにして欲しいと思ったのだけどね、
娘は、なつきを見て、こいつに決めた!と目を輝かせていた。
娘が世話をする娘の犬なんだから、
親の好みを押付けるというのはおかしなことだ。
十数年、責任を持たされる者に
選ぶ権利があろうってもんだ。
そう思って、その股関節の悪そうな仔犬の取り扱いについて
決して足に無理はさせるなとか、
躾が出来ないと
無駄に飛び跳ねたりなんかして
脱臼と言うことにもなりかねないから
しっかり躾をするんだぞ!と言い聞かせ、
娘の選択を優先して、
熊の子をバスケットに入れて連れ帰ったさ!
友人のお嬢さんが
二年もの間待っていたわけだからね、
(お嬢さんは2年だけど、お母さんである友人は三年待っていた。笑)
子どもが二年も待つってのは並みのことじゃないからさ、
今回、ここで、どの子にするか?って話に
私に気を使って、
欲しくも無い子を選んで、
欲しかった子を諦めるなんていうことはして欲しくないんだ。
こちらはいつでも欲しい子を作ることが出来るわけだから、
一生の内、何頭出会えるか解らない自分の犬、
これから十五年前後お付き合いしていく犬なんだから、
自分が「こいつがいい!」って思う子を連れて行って欲しいって思うんだ。
ここは、大人の感覚で、遠慮して変な入れ知恵はしないで欲しい。
親掛かりなんかじゃなく、
その犬の一生は、お嬢さん自身にみさせるって言うのなら
自分が、こいつの一生は自分がみる!って覚悟できる
自分の中の「最高の犬」を決めて欲しいって思うんだな。
娘となつきの関係は、そこからスタートしたんだからさ!
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